国民公園 皇居外苑「半蔵門園地」門柱
令和3年10月納品

半蔵門園地は、2015年8月に駐日英国大使館敷地の5分の1にあたる約7,000㎡が日本に返地されたことにより、国民公園である皇居外苑の一部として整備された公園です。駐日英国大使館の跡地であった歴史的背景を利用者に感じてもらうため、植栽、石垣、腰壁やローズポール等は英国を象徴するイングリッシュガーデンを取り入れたデザインとしています。また、敷地の東側には大使館敷地であった2015年2月にケンブリッジ公爵ウイリアム王子が旧英国大使館敷地内にお手植えされた桜「太白」を植樹し、利用者がゆっくり滞在できるよう「太白」を中心としてベンチなどを有するテラスを整備、西側は将来さらなる魅力向上を図るための施設等を計画していることから、現時点ではフリースペースの芝生広場とし、国民公園としての多様なニーズに応えるよう魅力ある空間を創出するようなデザインになっています。
そんな半蔵門園地の顔ともいうべき新たな出入り口の門柱および敷地を囲む塀角部の柱に弊社の擬石製品が採用されました。

現在、本石を加工した製品のほとんどが輸入品です。コロナ禍以降、海外からのサプライチェーンが不安定になり、石材も例外ではなく、もともと安価で安定して供給されていたものが、納期も見通せないと言ったような時期もありました。今回のプロジェクトはそんなコロナ禍ですすめられたこともあってか、日本国内で管理された工場で安定した製品が期待できる擬石での製造となりました。

今回の製品の配合は白御影で、表面はビシャン仕上げです。
本物の石(稲田)の砕石や砂利をセメントに練り混ぜて成形します。成型後、養生を経て表面をビシャン仕上げします。ビシャンハンマーと呼ばれる四角い突起が並んだ道具を用いてコンクリート表面をたたき凹凸をつけます。この加工をすることにより、練り混ぜられた砕石が表に現れ、一気に本物の石の風合いに近づき、コンクリートの無機質なイメージから、より上質な見た目に仕上がります。これにより、皇居からほど近い公園の門柱としてもふさわしい製品として完成しました。