コンクリートの材料の概要

コンクリートは、セメント・水・砂(細骨材)・砂利(粗骨材)でできています。ここに混和材料(混和剤・混和材)が加わり、さらに空気も含まれます。砂と砂利を結びつける結合材の役目を果たすのはセメントと水で、コンクリートの骨格を作るのが骨材(細骨材・粗骨材)です。そして混和材料を加えることで、コンクリートの強度や施工の容易さ(ワーカビリティ)や耐久性などの品質を改善できます。さらに空気(エントレインドエア)によって、作業性の改善と耐凍害性を向上させることができます。

セメント

セメントはコンクリートの硬化に欠かせない材料で、用途に応じてさまざまな種類が使われます。水と混ざることで水和反応を起こして硬化する粉体のことをいいます。現在セメントはさまざまなタイプが生産されていて、目的や用途に応じて使用されています。大きく分類すると、ポルトランドセメント、混合セメント、特殊セメント、エコセメントに区分され、さらに種類を細分化できます。

〇ポルトランドセメント
19世紀にイギリスで発明されたセメントで、硬化した状態がイギリスのポートランド島で採掘されるポルトランド石に似ているためこの名称が付けられました。

〇混合セメント
ポルトランドセメントに混和材の高炉スラグ(鉄鉱石を溶かす際に分離した、鉄以外の成分)や石炭の焼却灰(フライアッシュ)、シリカ質混合材などを混ぜたセメントです。これらの混和材の働きによって、硫酸塩や海水に対する抵抗性や水密性、耐熱性を向上させセメントです。

〇特殊セメント
着色を容易にするために酸化第二鉄を少なくした白色のセメントや、岩盤の止水性を高めるために微粒子に粉砕したセメント、または緊急工事用の超速硬性のセメントなど、特殊な用途に改良したセメントです。

〇エコセメント
生活ごみを清掃工場で焼却した際に発生する焼却灰や下水の汚泥などの廃棄物を原料にした、環境に配慮したセメントです。

各種セメントの特徴と用途

このようにセメントは、さまざまなタイプや種類に分けることができます。これはクリンカ成分の構成比率や石こうの添加量、混和材料の種類と添加量などに違いがあります。それによって固まる速さや発熱量、耐久性、水密性なども異なっています。

セメントの製造方法

セメントは、主にクリンカという焼成物からできています。クリンカの主原料は、石灰石と粘土やケイ石や鉄です。これらの原料を乾燥させて、細かく砕き混ぜます。それをキルンと呼ばれる円筒形の窯に入れて、1450℃以上の高温で焼成します。焼成後に冷却してできるこぶし大ほどの塊がクリンカです。クリンカもその原料によって種類が分けられており、品質がJIS規格で定められています。

セメントの製造工程

セメントの製造工程は、主に原料工程、焼成工程、仕上工程の3工程に分けられます。
〇原料工程
所定の成分比になるよう調合された原料を、原料ミルにて乾燥・粉砕します。粉砕された原料はサイロに送られ仮貯蔵された後、原料同士を目的の化学組成になるよう混合してから原料サイロに貯蔵します。
〇焼成工程
原料サイロから送られてきた混合原料をサスペンションプレヒーターという原料予熱装置で予熱した後、ロータリーキルン(回転窯)で約1450℃に加熱し焼成します。この工程でクリンカが生成されます。クリンカを冷却機で約100℃まで急冷し、クリンカサイロに貯蔵します。
〇仕上工程
焼成工程でつくられたクリンカに、急硬化を防ぐために石こうを添加します。次にセメントミルで粉砕するとセメントが出来上がります。できあがったセメントはセメントサイロに貯蔵され、その後品質が確認されたセメントから出荷されます。

骨材

コンクリートの骨格として使われる砂や砂利などのことを骨材といいます。

骨材の役割

コンクリートをつくる際に使用する砂、砂利、砕砂、砕石などを骨材といいます。骨材は石のように固い構造物をつくる際の骨格となる主要な材料です。コンクリートは、骨材を糊で固めるわけですが、その糊の役目はセメントです。セメントは骨材に比べ高価なので、建設用の材料としてコンクリートを使用するには他のコストを下げる必要があります。

また、コンクリートの弱点として固まる際に発生する熱が高温だと、冷えたときにひび割れが発生することがあります。セメント量を増やすとひび割れに強くなりますが、セメントの割合が増えたことで内部に熱がたまりやすくなり、むしろひび割れを招く場合もあります。これらの理由から骨材を使うことで、強固かつ安価、熱も少ない耐久性のあるコンクリートができます。

さらにもう一つの弱点として、固まった後に太陽の熱でコンクリートが伸びたり、冬の冷たい風によって縮んだりすることでひび割れが発生します。そこで、骨材をぎっしりと詰めることで、コンクリートの伸び縮みを抑制することができます。

骨材の分類

骨材には砂や砂利、砕砂、砕石、スラグ骨材などがあります。粒の大きさによって細骨材と粗骨材に分類されます。
〇細骨材
10mm網ふるいを全部通過し、5mm網ふるいを質量で85%以上通過する骨材
〇粗骨材
5mm網ふるいに質量で85%以上留まる骨材

また、製造方法から天然軽量骨材や人工軽量骨材、再生骨材などに分類することもできます。
〇天然軽量骨材
火山作用などによって天然に産出する骨材
〇人工軽量骨材
けつ岩、フライアッシュなどを原料として人工的につくった骨材
〇再生骨材
解体したコンクリート塊などの廃材を、破砕処理を行うことによって製造した骨材

水(練り混ぜ水)

水和反応を発生させてコンクリートを固めるためには水の存在が必要不可欠です。この水を練り混ぜ水と呼びます。

練り混ぜ水の役割

コンクリートの接着剤となるセメントペーストはセメントと水からできていて、セメントと水が水和反応を起こすことで固まります。つまり、水がないと固まりません。このコンクリートの材料として使用する水のことを練り混ぜ水といいます。練り混ぜ水は、コンクリートの凝結だけでなく、硬化後のコンクリートの性質や混和剤の性能、鉄筋の発錆や腐食などにも大きく影響を及ぼします。良質なコンクリートをつくるためにはより良い品質の練り混ぜ水を用いることが重要です。

練り混ぜ水の種類

練り混ぜ水は、一般的に上水道水、上水道水以外の水と回収水に分けられます。
〇上水道水
飲料用の水
〇上水道水以外の水
河川水、湖沼水、井戸水、地下水などとして採水され、特に上水道水としての処理がされていない水や工業用水
〇回収水
トラックアジテータのドラムやプラントのミキサー、ホッパーなどの洗浄水や、戻り生コン(現場から戻されたコンクリート)を処理して得られる水の総称

上水道水は問題なく使用することができますが、それ以外の水を使用する場合は品質確認が必要です。地下水には特殊な成分が溶解していたり、河川水には家庭や工場からの排水による洗剤や各種物質が含まれていたりする場合があります。また、河口付近では、海水が混入している場合もあるので注意が必要です。
回収水とは、ミキサー車や工場設備などの洗浄に使われた水を指し、上澄(じょうと)水とスラッジ水があります。
〇上澄水
上澄みとして得られる水で、コンクリートの強度やワーカビリティなどに悪影響がないことが確認できれば練り混ぜ水として使用できます。
〇スラッジ水
セメント分などの固形分が混じったもので、固形分率が単位セメント量(重量比)の3%を超えるものは使用できません。スラッジ水を使用する際は、固形分率を把握したうえで配合調整を行う必要があります。

水の体体積変化

水は温度変化による体積の変化がとても大きい物質です。そのためほかのコンクリート材料に比べて温度変化に注意をはらう必要があります。また、練り混ぜ水の量が多い方が施工性は向上しますが、よりよい品質のコンクリートをつくりためには、水の量をなるべく少なくする方が望ましいです。

混和材料
混和材料の役割

混和材料とは、コンクリートの品質を改善することを目的としてコンクリートに混ぜる薬剤の総称です。JISでは「セメント・水・骨材以外の材料で、コンクリートなどに特別な性質を与えるために、打込みを行う前までに必要に応じて加える材料」としています。コンクリートはセメントと骨材に水を加えることで固まり、建設材料などとして使用されますが、使用しているうちにさまざまな課題が出てきます。例えば施工のしやすさでは、ぼそぼそとしたコンクリートより流動性のあるほうが施工がしやすくなります。その反面、コンクリートに水を加えればやわらかくなりますが、水が多すぎると強度は低下します。よって水を加えずに流動性をもたせる方法が必要となります。
ほかにも、コンクリートの収縮によるひび割れをなくす方法、固まる時間を調整する方法、鉄筋の腐食を防止する方法、凍害に強いコンクリートにする方法など、品質や周辺環境、施工条件に関連する課題が次々と出てきます。このような課題に応じてコンクリートの品質を高める役割を果たすのが混和材料です。

混和材料の分類

混和材料は、少量で用いる液体の混和剤と、使用量が比較的多い粉体の混和材に分類されます。
〇混和剤
使用量が比較的少なく、それ自体の容積がコンクリートなどの練り上がり容積に算入されない。
〇混和材
使用量が比較的多く、それ自体の容積がコンクリートなどの練り上がり容積に算入される。