レディーミクストコンクリートとは、生コン工場で製造されるコンクリートのことで、固まる前の状態のもの指します。

レディーミクストコンクリートの定義

生コン工場で製造され、固まる前の状態のまま現場まで運ばれるコンクリートが生コンクリート、つまりレディーミクストコンクリートです。コンクリート用語について規定しているJISでは、レディーミクストコンクリートを「整備されたコンクリート製造設備を持つ工場から、荷卸し時点における品質を指定して購入することができるフレッシュコンクリート」と定義しています。

厳密には、生コンクリートはレディーミクストコンクリートと現場練りコンクリートの2種類に分類されます。現場練りコンクリートとは、建設現場でセメントや骨材などの材料を練り込んでつくるコンクリートのことで、生コン工場での製造や運搬を必要としません。建設現場に現場練りの設備があったり、使用するコンクリートの量が少なかったりする場合に使われます。ただし、必要としている品質をしっかりと発現させるには作業員の技量が重要です。

現場では、「レディーミクストコンクリート」「現場練りコンクリート」という表現よりも「生コンクリート」「生コン」の方が一般的ですが、その際の生コンクリートとは「レディーミクストコンクリート」を指している場合がほとんどでしょう。レディーミクストコンクリートは品質の選択肢が広く、用途に応じた使い分けができることが大きな特徴です。また、現場でのコンクリート練り混ぜの手間を省くことができることも魅力で、さまざまな工事に用いられています。

※レディーミクストとは、英語で「ready-mixed」と表記し、「練られて準備済み」といった意味です。現場ですぐに使用できる状態となっているコンクリートであることが名前からもわかります。

レディーミクストコンクリートの規格

レディーミクストコンクリートの規格は1953年に制定され、1965年にJISマーク表示対象として品目指定されました。規格番号はJIS A 5308で、これまでに13回の改正が行われ現在の内容になっています。
なお、JIS規格ではレディーミクストコンクリートを普通コンクリート、軽量コンクリート、舗装コンクリート、高強度コンクリートの4種類で区分しています。
〇普通コンクリート
一般的な建築構造物と土木構造物に適用するコンクリートです。一般構造用コンクリートとも呼ばれます。

〇軽量コンクリート
普通コンクリートよりも単位容積重量の小さいコンクリートです。軽量骨材を用いている軽量骨材コンクリートと多量の気泡を含ませた気泡コンクリートがあります。

〇舗装コンクリート
道路などの舗装への使用を目的としたコンクリートで、スランプ2.5cmの硬練りなのが特徴です。

〇高強度コンクリート
普通コンクリートよりも強度を高めているコンクリートで、高層マンションなどに利用されます。

レディーミクストコンクリート製品の構成

レディーミクストコンクリートを確保するためには、生コン工場に製品の内容を具体的に指定して注文しなければなりません。注文時に指定する製品はどの生コン工場でも共通の構成となっています。
レディーミクストコンクリートの製品の呼び方は次のとおりに構成されています。
①コンクリートの種類
②呼び強度
③スランプまたはスランプフロー(cm)
④粗骨材の最大寸法(mm)
⑤セメントの種類

レディーミクストコンクリートの製造

生コン工場の概要

レディーミクストコンクリートを製造するための施設が生コン工場です。生コン工場には材料の貯蔵設備、軽量設備、練混ぜ設備が備えられていて、各設備間での搬送はベルトコンベアや配管などを用います。また、練混ぜ時や運搬時に使用したミキサードラムなどを洗浄して廃水処理するための設備もあります。

レディーミクストコンクリート製造の流れ

コンクリートの材料となるセメント、骨材、水、混和材料はダンプトラックやタンクローリー、導入管などの材料に応じた手段によって生コン工場へと運ばれてきて、材料ごとの貯蔵設備(セメントサイロや骨材サイロ、混和剤タンク、貯水槽など)に保管されます。そして、注文の品質を実現する配合となるように計量設備にて各材料の計量を行い、練混ぜ設備に投入して練り混ぜた後、トラックアジテータのミキサードラム内に直接排出して積み込みます。このように計量から練混ぜ、トラックアジテータへの積込みまでの一連の工程を行う設備がバッチャープラントです。

バッチャープラント内の計量設備は、貯蔵槽と計量槽、計量装置で構成されます。貯蔵設備から搬送されてきた各材料は貯蔵槽に一時的にストックされ、必要量が計量槽へと移されて計量装置(電気式や機械式)によって重さが量られます。練混ぜ設備とはミキサーのことです。計量槽からミキサーへの投入はシュートが使われます。ミキサーには傾胴型、強制練り型、強制二軸練り型などの種類がありますが、現在は強制二軸練り型が主流です。こうして練混ぜが完了したら、積込みホッパーを通じてトラックアジテータへと積み込まれ現場へと運搬されます。

レディーミクストコンクリートの発注

レディーミクストコンクリート製造の発注

レディーミクストコンクリートの発注は、JIS表示認証工場への注文であれば、メニューから選定する方法で行います。
コンクリートの種類、粗骨材の最大寸法、目標スランプ、呼び強度、セメントの種類の組み合わせで、〇印のついたものがメニューとして選ぶことができます。

コンクリートの種類 粗骨材の最大寸法 スランプまたはスランプフロー 呼び強度
18 21 24 27 30 33 36 40 42 45 50 55 60 曲げ4.5
普通 20mm 8cm、10cm、12cm、15cm、18cm
コンクリート 25mm 21cm
40mm 5cm、8cm、10cm、12cm、15cm
軽量 15mm 8cm、10cm、12cm、15cm、18cm、21cm
コンクリート
舗装 20mm 2.5cm、6.5cm
コンクリート 25mm
40mm
高強度 20mm 10cm、15cm、18cm
コンクリート 25mm 50cm、60cm

〇印の組み合わせについては、標準化した配合が確立しているため試し練りの必要もありません。一般的には、設計段階でスランプや強度の組み合わせが決まるので、購入者はそれと同じ内容の製品をメニューから選べばよいのです。ただし、季節ごとに環境条件が変わるため、購入時期によって同じ製品でも配合が異なる点に注意が必要です。例えば、コンクリート温度が高くなる夏季は単位水量を増加、冬季は単位水量を減少させなければスランプが所定の値になりません。そこで生コン工場では、所定のスランプにするために、混和剤の添加量を調整する方法などにより季節ごとで単位水量を増減させています。

昔はこのような配合の調整が購入者に正しく伝達されないことによるトラブルも少なくありませんでした。現在はレディーミクストコンクリート納入書に標準配合、修正標準配合、計量読取記録または計量印字記録もとにした単位量のどれに基づいた配合であるかが示されています。これにより購入者は設計者が行った耐久設計や、ひび割れ制御に用いた配合の値との違いを見極めることができます。

メニュー以外の製品を注文する場合

発注メニューの配合条件とは異なる条件を希望する場合、購入者は生産者(生コン工場)と協議し、双方が合意した内容であれば注文することができます。協議できる事項はJISで定められていて、以下のとおりです。

①セメントの種類
②骨材の種類
③粗骨材の最大寸法
④アルカリシリカ反応の制御対策
⑤骨材のアルカリシリカ反応性による区分
⑥呼び強度が36を超える場合は、水の区分
⑦混和材料の種類および使用料
⑧標準と異なる塩化物含有量の上限値
⑨呼び強度を保証する材齢
⑩標準と異なる目標空気量
⑪軽量コンクリートの単位容積質量
⑫コンクリートの最高温度または最低温度
⑬水セメント比の目標値の上限
⑭単位水量の目標値の上限
⑮単位セメント量の目標値(配合設計で計画した単位セメント量の目標値)の下限または目標の上限
⑯流動化コンクリートの場合は、流動化する前のレディーミクストコンクリートからのスランプの増大量
⑰その他の必要な事項

①~④の4項目については生産者と協議して必ず指定しなければならないと定められています。また一部例外として、運搬時間に関しては生産者と購入者との協議によって変更することができます。
レディーミクストコンクリートの品質検査

レディーミクストコンクリート製造時、品質における責任は生産者である生コン工場にあります。その際、所定の品質を確保できているかを確認したり証明したりするために実施するのが品質検査です。

品質管理はだれの責任か

レディーミクストコンクリートを必要とする施工業者が生コン工場に発注することにより製造がスタートします。購入者が施工業者、生産者が生コン工場という関係です。施工業者は具体的な品質条件を生産者へ伝え、生コン工場はその要求を満たした製品を納入する必要があります。よって、製造段階における品質管理の責任は当然ながら生コン工場にあります。そして、運搬した製品を施工業者に引き渡す際には、生コン工場は所定の品質を確保できていることを施工業者に保証しなければなりません。同時に施工業者側でも、製品が正しい品質となっているのかを確かめたうえで受け入れるか判断します。施工業者が受け入れた場合は納入が成立となり、品質管理の責任が生コン工場から施工業者へと移ります。

その後施工業者はコンクリート構造物の施工を進めていきますが、仮に完成した構造物の品質に問題が生じた場合でも、納入されたレディーミクストコンクリートが要求品質を似たしていないことが証明されない限り、施工業者は生コン工場に責任の一端を求めることは基本的にできません。

生産者側で実施する品質検査

生産者(生コン工場)は製造時と荷卸し時に品質検査を実施する必要があります。製造時に実施する品質検査は製造工程に問題がないかチェックする検査なので工程検査といいます。一方、荷卸し時に実施する品質検査は、購入者(施工業者)側に品質を証明するための検査です。こちらは製品検査とも呼ばれます。なお、荷卸し時には購入者側でも品質検査を実施して指定通りの品質になっているか確認します。これを受け入れ検査といいます。

工程検査と製品検査の内容

工程検査で確認する主な項目

①コンクリートの状態(全バッチを対象にワーカビリティー、均一性、骨材の大きさ、容積を確認)
②細骨材のふるい分け(1日に1回以上実施)
③細骨材の表面水率(午前に1回以上、午後に1回以上実施)
④粗骨材の実積率(1週間に1回以上実施)
⑤スランプまたはスランプフロー(午前に1回以上、午後に1回以上実施)
⑥空気量(午前に1回以上、午後に1回以上実施)
⑦塩化物イオン含有量(通常は1ヶ月に1回以上実施、海砂を使用している場合は1日に1回以上実施)
⑧容積(1ヶ月に1回以上実施)
⑨単位容積質量(軽量コンクリートの場合。出荷日ごとに実施)
⑩強度(1日に1回以上実施)
⑪コンクリート温度(指定がある場合。必要に応じて実施)

製品検査で確認する主な項目

①スランプまたはスランプフロー
②空気量
③塩化物イオン含有量(工場出荷時に実施するのが一般的)
④強度
⑤容積
⑥コンクリート温度